夫と彼と私

部屋にあらわれたのは、みるからにスポーツ会系の男の人でした。主人が通うスポーツジムに通う20代の独身男性で、今回私たちの自宅に招いたのでした。
私は四十半ば、主人は50過ぎで、二人何不自由のない生活を送っていますが、ことSEXに関してはほとんど惰性でやっているようで、もはや刺激も歓びもないありさまでした。
スワッピングをもちだしたのは、じつは私のほうでした。スワッピングというものを知ったのは、私の友達の、さる大学教授夫人の実体験をきかされたからで、一度体験すると、
SEXにたいする考えが一新し、やはり私ども同様惰性となっていた夫婦間のSEXが、若い頃のときのような新鮮味をとりもどしたという夫人の話に感化されたのでした。
夫も興味をしめしました。彼もまた、女としての魅力をなくしつつある妻が、ふたたび性的な欲望をかきたてらる存在になるならと、むしろ積極的にのぞんだほどです。
夫が、ジムに通うTという独身男性にこの話をもとかけたところ、Tは二つ返事で承諾しました。
きょうはじめて彼をみた私ですが、ジムで鍛えているだけあって、肩の筋肉はもりあがり、動くたびにいまにも着ているシャツが破れるのではおもえるほどでした。
私と夫と彼は、床をのべた部屋に入りました。
夫はこちらをむいて座り、部屋の灯りはつけたままにしました。
私と彼はしばらく立ったまま、向かいあっていました。
さすがに室内の空気は緊張感に張りつめ、しずまりかえった室内にきこえるものといえば、三人の息遣いばかりでした。
彼がいつまでたってもなにもしないので、私はすわっている夫に視線を投げかけました。すると夫が、「はじめていいんだよ」と、穏やかににうながしました。
Tは、一度大きく息をすいこむと、決心したようにうなずきました。